見出し画像

手探りでつかんだ、マーケティング領域のデータ分析で大切な2つのポイント

はじめに

野村総合研究所(NRI)の社内公募でNRIデジタルに異動してきて、マーケティング領域のデータ分析という今っぽい(?)お仕事をしている、高橋春菜といいます。

もともとはNRIで金融の基幹システム開発というガチガチのSIer仕事をしていた私です。データ分析のさわりは学んでいましたが、それでも異動当初は四苦八苦していました(当時の上司はとにかくやってみろタイプだった、、、感謝しています)。

いろいろな案件に携わる中で、「ここは大事にしたい!」という私なりのポイントが明確になりましたので、今回はそれをお伝えしていきます。

その1:データは文字でしかなく、意味を決めるのは人である

何も知らなかった頃は「データ」と言うと、「データさえあれば何かすごい気づきが得られる」とか思っていました。

が、全然そんなことはなく。
最初、「とりあえず行動分析やってみよ~」と言われて渡されたのが、お客さま企業が運営するサイトユーザーの行動ログデータでした。それを見て、「何をしろと?」と思ったことを今でもよく覚えています。

そもそもどのようなデータなのかがわからない。1行1行のデータが何を意味し、どの項目を見るべきで、何に注目すべきかわからない。サブモニターいっぱいにデータを投影しながら、目をしょぼしょぼさせました。
何とかかんとかデータの構造を把握し、どのように集計したら何の数値を得られるかを理解しました。とりあえずサイトにどれくらいの人がきているのかを見てみようと日ごとのユーザー数やページの閲覧数を集計してみるも、今度はその数値が多いのか少ないのか、どう捉えるべきかがわからない。途方にくれました。

悩む私に当時の上司は、「それを決めるのがマーケッターの醍醐味だよ!」と笑顔で言い放ちました(オンラインミーティングでビデオ投影していませんでしたが、絶対いい笑顔だったと思う)。「何かよくわからないけどカッコいいこと言われた…!」と思いながら、データから大量のグラフを描いたり重回帰分析してみたりしながら、少しずつデータ理解を深め、気づきを得ていきました。

結果的に、CV(購買)したユーザーについて、超短期で購入するユーザーとしっかり時間をかけて検討するユーザーに分類しました。そして、ユーザー層の流入チャネルや見ているページの種類・閲覧数の特徴を探りました。「そうそう、短期のユーザーとしっかり考えるユーザーがいるんですよね~」とお客さまにも言われたので、肌感覚としても合っていたのだと思います。
短期とは具体的にどれくらいの時間か?どういうユーザーを短期と定義するか?何をもって特徴とするか?という線引きを1つずつ決めるのも人になります。また、具体的に決まるからこそ、どれくらいの割合いるのか?時系列でどう変化するか?などをモニタリングでき、施策も打てるようになります。

データはただの情報でしかなく、データからどのような気づきを得るのか、どのような意味をもたせるのか…それを最後に決めて活用するのは「人」であり、特に有意義な特徴を見出せてこそのデータ分析の仕事だなと、今はしみじみ思っています。

その2:データだけでなく、人と向き合うことも重要

タイトルのまんまです。
会社にもよるかと思いますが、分析する人と、それを現場で活用する人(マーケティング担当など)は異なることが多いのではないかと思います。

分析者が手法を駆使して再現性の高いモデルを検討しても、マーケティング担当に納得感がなかったり、納得感があっても活用のハードルが高すぎると結局お蔵入りしてしまいます。

個人的に、分析結果をお話ししたときの反応を3つに分類しています。
①いまいち納得してなさそう…
②なんとなく納得はしてくれてそう…でも反応が「へえ~」止まり…
③納得してくれて、活用方法までイメージが湧いてそう!!

最初から③が得られればいいのですがなかなか難しく、大抵は①か②から始まります。担当の方の課題感が曖昧なこともあり、その場合は課題を言語化することから始まったりします。きちんと課題が設定できるとだいたい②には届きます。
結果を③まで高めるためには、活用にあたっての課題やハードルを理解し、考慮する必要があります。場合によっては、コミュニケーションの取り方や資料の書き方・見せ方で活用のイメージが湧いたりします。

購買に向けたメール送信施策について分析していた際、最初は機械学習などを活用しようとしていましたが、最終的に単純な集計だけで結果をまとめました。そちらのほうが担当の方にとって理解しやすく、納得感があり、社内展開しやすかったからです。

求められているのは高度な分析とは限らず、納得できて使いやすい結果なんだなあと学びました。分析業務よりも、担当の方ととことん向き合い、双方腹落ちする課題を設定するところが一番難しかったりします。
データ分析というとずっとPCの前で仕事をしている職人気質なイメージもありそうですが、質のいい結果を得るためには人と向き合うこともとても重要だと考えています。

おわりに

NRIデジタルに参画して、未経験だったマーケティング領域のデータ分析をやることになり、リーダーやメンバーの方々に助けられ、自分なりに大事にしたい学びも得られました。
とはいえ、まだまだ学ぶべきことが多く、修行の毎日です。お客さまのためにより良い分析をできるよう、これからも日々励みます!