【パーパス裏話】ステートメントを縦読みしたらNRIデジタル設立時のキーワードが浮かび上がった
パ―パス策定プロセスを紹介した記事で、NRIデジタルのパーパス策定までの道のりを振り返りました。
そちらで紹介できなかった、パーパスの下に記載される「ステートメント」にまつわる裏話をお届けします。
ステートメントは一般的に、パーパスを補完する文章という位置づけです。NRIデジタルの場合は、策定メンバーたちの中で盛り込みたいキーワードがたくさん挙がったため、パーパスよりも先にステートメントを作ったのです。
しかも、英語版に深い意味が込められて。
ステートメント作成にあたっては、パーパス策定メンバーが参加したワークショップで挙がった「NRIデジタルらしい」キーワードをもとに、経営層と策定メンバーが、細部の表現までこだわりながら何度も議論を重ねました。
・情熱や熱量を込めたい。自分たちの「情熱」は、赤い炎というより、冷静さも兼ね備えつつ内側で燃える青い炎のイメージ?
・冒険団、冒険者、冒険家のどれが適切か?
・見た目のバランスとして、上下対称の形が美しいのではないか。上半分がNRIのDNA、下半分がNRIデジタルらしさを表現する形としては?
などなど・・・
そうして出来上がったのが、以下のステートメントです。
右側の英語版の左側文字を縦読みすると・・・「TUGBOAT」という単語が浮かび上がります。
このタグボートという言葉、じつはNRIデジタルの成り立ちに深く関わっているのです。
2016年8月、NRIデジタルが設立されたとき、雨宮正和社長は「我々はDXにおいて、NRIグループのタグボート(曳舟)になる」と宣言しました。そのときの想いを皆が忘れないよう、遊び心をステートメントに組み込んでいるのです。
ですが、裏話はここで終わりません。実は、ステートメントを議論する中で、「タグボート見直し論」が大いに交わされたのです。
「小さくて馬力があって小回りが利くという機能を指している点はよいが、冒険団が大海に出ていくような意味を含んでいない。別の言葉に変えたほうがよいのではないか」
「タグボートの機能は持っていないといけないし、持ち続けたい。が、NRIデジタル全体がタグボートになったら、単なる大型船となり、タグボートの機能が果たせない。タグボートに乗るぞ、となったらバッと乗って走り出したい」
「創業当初は、NRIデジタルは対NRIのタグボートではあった。今は対お客さまのタグボートでありたい。さらにお客さまとともに大海原に出て荒波を超えるとなると、タグボートだけではなくなる」
・・・といった意見が挙がりました。
今のNRIデジタルの在り方は、沖まで牽引・先導するタグボートにとどまらず、大海原に出て未知の大陸を目指す「帆船」のイメージがしっくりくるということで、皆の考えが一致しました。前回の記事で紹介した、パーパスのビジュアルイメージにも、大海原を航海する帆船が描かれています。
こうした議論を踏まえ、最終的なパーパス/ステートメントが完成しました。初心を忘れず、しかし、初心にとらわれず新しい世界を切り拓く。そんな意気込みが込められているのです。