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矢野顕子さんのグランドピアノが“社内ストリートピアノ”になったワケ

NRIデジタルの横浜オフィス(野村総合研究所 横浜総合センター内)には、シンガーソングライターの矢野顕子さんが愛用されていたグランドピアノ(スタインウェイ B-211)が置かれています。

横浜オフィスに設置されているピアノ

これは、社員であるDX企画プロデューサーの新井朗さんが、プライベートで矢野さんから受け継いだものです。なぜ、新井さんがピアノを譲り受け、NRIデジタルのオフィスに置かれることになったのでしょうか。その裏話をお届けします!

数々の偶然が重なり、人々の想いが共鳴

2019年、矢野さんのX(旧ツイッター)での「愛用のグランドピアノをファンに譲りたい」という投稿に即断し、激戦にも関わらず、見事スタンウェイを獲得した新井さん。奥行2メートルあるグランドピアノは、自宅に置くには大きすぎるため、どうしようかと考えていました。

そのころ野村総合研究所(NRI)では、リベラルアーツ(教養としてのアート)研修構想の流れの中で、ストリートピアノの設置を検討していたタイミングでした。そして図らずも新井さんのスタンウェイは、NRIの創業年と同じ1965年製。

「自分の愛用していたピアノを引き続き大切にして欲しい」という矢野さんの想いと、「日本のDX(デジタル技術によるイノベーション)は、矢野さんが参画していたYMOに代表される、1970年代末の音楽シーンから始まったと思っている!」と語るほど、矢野さんの奏でる音に魅了されてきた新井さんの熱量と、「音楽を通じてNRIグループ社員のつながりを生み出したい」という会社の新たな試み。それらが必然とも思えるほどのタイミングで重なった結果、矢野さんから新井さんへ渡ったグランドピアノ スタンウェイB-211は、NRIグループのストリートピアノとして設置されることとなったのです。


スタンウェイと新井さん。
この後、素晴らしい演奏を披露!

音楽から学んだイノベーション精神

スタインウェイを譲り受けた当時のことや、ピアノにまつわる想いについて、新井さんから話を聞きました。

――大切なピアノを会社に預けるというのは大きな決断だったと思いますが、当時はどんな心境でしたか?
矢野さんからはスタインウェイと一緒に、イノベーションの精神も受け継いだと思っています。NRIデジタルはNRIグループにおいてイノベーションの先頭に立つべき会社だと思っていて、このピアノから沢山の名曲が創造されたように、私も更なる新しいサービスを創造していきたいですね。そして後進からもそういう人たちが生まれることを切に願っています。

――新井さんにとって、音楽とイノベーションの関係とは?
創造(イノベーション)とは、先人の成果を徹底的に学んだ上に、自分なりのアレンジや工夫を積み上げることだと思っています。「0→1」という表現で語られることも多いですが、全くの無から有が生み出されることは実は稀で、過去の膨大な成果の上に、自分なりの新しい発見や工夫が積み重ねられて生まれることが多いんじゃないでしょうか。

ピアノで基礎をマスターしたら、与えられた練習曲だけではなく、弾きたい曲を決めて、楽譜もない中で耳コピのみで弾いてみるのと同じで、イノベーションのためには、まずその領域の基礎を徹底的に勉強することが重要だと考えます。何ごとも、ある程度は勉強しないと創造の境地には立てないですよね。

本当にやりたいことは誰かが教えてくれるものではなく、自分自身で見つけて自分自身で学ぶしかないのだから。

本ピアノは、「社内ストリートピアノ」であり、NRIグループ社員、NRI入館証保持者および社員同伴の方に限って演奏することができます。

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