データサイエンスで社会課題を解決しよう:ファッション編
1. はじめに
NRIデジタルのデータサイエンティストはAIや機械学習、データ分析に従事するだけではありません。NRIデジタルのパ―パス「まだ見ぬ世界を切り拓こう。」を体現するべく、新たな価値創造を目指し、社会課題を起点としてソリューションを考えたアイデアソンの取り組みを、2回にわたり紹介します。まずはファッション編です。
2. 課題とソリューションの検討
ファッション業界の課題
服は流行りの移り変わりが激しく、大量に生産され、大量に廃棄されます。こうしたファッション業界の課題解決を目指し、「課題の具体化⇨解決策の考案⇨解決策の選定」という流れで話し合いを行いました。話し合いの中で大事にしたこと
話し合いの中で最も大事にしたのは以下2つです。
① 他者の意見や案を尊重する
② 時には非現実的な案も許容する
それぞれ簡単にご説明します。
① アイデアソンにおいては、誰もが意見を言いやすい雰囲気をつくり、多くのアイデアを出しあうことで、多様な意見、その可能性を排除しないことが重要です。
② 「想像できることは基本的に実現可能である」という言葉を聞いたことがありますか?非現実的だと思えるアイデアも工夫の仕方で実現できる可能性があるのです。課題解決案の紹介
課題解決としていくつか挙がった例を紹介します。
・アプリを利用した特別な服のシェア
・顧客の体型やトレンドを考慮した服のリコメンド
・在庫情報を顧客に提供し、接客時間を軽減する
・購買数の推移からトレンドを把握し、新商品をリコメンドする成果物サマリ
上述したような環境問題も念頭に置きながら、チームで議論した結果、まずは身の回りの課題に着目することにしました。そして、今回は顧客が持つ「似合う服を選びやすくする」という課題と、店舗が持つ「店員の接客を簡易で短いものにする」という課題を解決しようという話になりました。
これらの課題を解決するために「店舗に置く在庫管理機能を含んだリコメンドシステム」というアイデアを考えました(図1 ファッションに関するアイデア概要図)。具体的な機能を顧客が利用するときの流れを用いて説明します。
① 顧客が来店し、服の在庫がわからないときや、自分の体型にどのような服が似合うかわからないときに使用する。
② 端末が顧客の体型やトレンドを考慮して、顧客に似合う服をリコメンド。その服を実際に試着する。
③ 気に入らない場合は顧客のフィードバックを端末に入力することで、より顧客の好みに合った服を再びリコメンドする。
こうすることで顧客に似合う服をリコメンドし、接客時間も減少させるだけではなく、他企業との差別化にも繋がります。結果として導入企業のブランド力を向上させることになります(図2 システム導入メリット)。リコメンドやサイズスキャン技術、生成AIに精通しているNRIデジタルだからこそのソリューションです。
今後の予定
今回のアイデアをブラッシュアップしていくことで、顧客に、そして社会に意義のある活動に繋げていきたいと考えています。