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初めての著書『0から始めるAI・データサイエンス超入門』ができるまで&見どころ紹介

はじめに

NRIデジタル データサイエンティストの藤田一樹です。
2016年に野村総合研究所(NRI)に入社し、2021年よりNRIデジタルのデータサイエンティストとして、AIによる需要予測を活用した「AI発注システム」など、「AI・データサイエンス×システム開発」領域を中心にお客さま企業のAI活用・DXの推進を支援しています。

2024年7月31日、私自身初めての著書となる『0から始めるAI・データサイエンス超入門』(東洋経済新報社)が発行されました。この本を書くことになった経緯や、概要、込めた想いなどについて、お伝えしていきます。

書籍「0から始めるAI・データサイエンス超入門」(東洋経済新報社)

1. 著書『0から始めるAI・データサイエンス超入門』の概要

昨今、ChatGPTを始めとする生成AI技術が、ビジネスや私達の生活にも大きな変化を与えています。
しかし、多くのビジネスパーソンは、学生時代にAIやデータサイエンスの教育を受ける機会がなかったにもかかわらず「リスキリング」という名のもとで、「AIやデータサイエンス」に関する学習に取り組まれているのではないでしょうか。

そこで、本書『0から始めるAI・データサイエンス超入門』では、「数式とプログラミングを使わずに」予備知識がなくとも、0からAIやデータサイエンスの全体像を1冊で理解できるよう分かりやすく解説しています。
この本を手にとっていただいた皆さんの

・AIについてちょっとだけでも知ってみたい
・AIやデータサイエンスを使ってビジネスをよりうまく進めたい
・数学やプログラミングなどはわからないけど、AI・データサイエンスの概要を理解したい

書籍:はじめにより

そんな疑問や要望に応えるため、これからのAI時代を生き抜くために必要な基礎知識を解説した本になります。

2. 上司の一言チャットから始まった

書籍執筆にチャレンジするきっかけは、突然やってきました。

当時のマネージャーから「AI関連の書籍書きたくない?」と、たった一言、社内チャットが飛んできたのです。驚きと戸惑いもありましたが、「これは挑戦するしかない!」という気持ちで、二つ返事で引き受けました。

そこから、NRIデジタル広報チームとともに、書籍の企画立案・出版社への持ち込みを行い、担当編集者さんとの内容・構成に関するディスカッションを経て、いざ執筆へ。毎週、アップデートが発表される生成AIをキャッチアップするため、何度も何度も書き直しをすることになりました。この間、約1年にわたり、今までとは大きく異なる経験をたくさんすることができました。

もともと、社会人になってから、さまざまな新しいことへの挑戦を続けてきました。データサイエンティストとしても、「データサイエンス×システム構築」における挑戦の連続。昨今は、メンバーマネジメントや人材育成など新たな業務にも奮闘しています。多忙な日々ではありますが、今回の書籍執筆への挑戦も、多くの人の支えで楽しみながら完遂することができました。

3.著書『0から始めるAI・データサイエンス超入門』の構成

本書は、全部で4つのパート、7つのチャプターから構成されています。その概要や見どころを紹介します。

●PART1 AI・データサイエンスの全体像

CHAPTER01 AI時代を生き抜くためのAI・データサイエンス活用

PART 1では、AIの進化の歴史やなぜ今AIを学ぶのか、データサイエンティストとはどんな人なのか、そしてデータサイエンスの学び方など、AI・データサイエンスの全体像について説明しています。

「小学生からAIやデータサイエンスの教育が始まった」の章では、AIやデータサイエンスを学ぶ環境変化について解説しています。

「データサイエンティストに必要なスキル」の章では、ビジネス力に強みを持ったデータサイエンティストとして、シチズンデータサイエンティストについて解説しています。

●PART2 AIツール活用編

CHAPTER02 ChatGPTが世界を変える? 生成AIを使ってみよう
CHAPTER03 AIが人の目の代わりになる? AIで画像を分析してみよう

PART 2では、ChatGPTなどの生成AIやGoogleレンズのように、私たちの生活の一部となった重要なAIツールを例に、生成AI(Generative AI)や画像認識AIの仕組みを解説しています。AIを活用して大きく変わった皆さんの生活の裏で活躍する、様々なAIツールの概要や仕組みを体験しながら理解することができるように説明しています。

●PART3 データサイエンス基礎編

CHAPTER04 データから何がわかる? データを提案に活用しよう
CHAPTER05 データから似たものを見つけてグループ化しよう
CHAPTER06 データをどう活用する? AIを使って未来を予測しよう

PART 3では、私たちがビジネスで毎日使う数値データを活用したデータサイエンスの方法を、平均値などの基礎から機械学習モデルなどの応用まで、ビジネスで活用できそうなテーマに合わせて全体像の説明をしています。
データサイエンティストが業務で使う実践的な手法なども解説しています。ぜひ、データサイエンティストになったつもりで少しずつ読み進めていただければと思います。

「データの可視化」の章では、データを正しく理解して、活用するための方法について解説しています。

●PART4 データサイエンス実践編

CHAPTER07 自分でも作れる? AIモデル作成に挑戦しよう

最後のPART 4では、データサイエンス実践編として、Googleアカウントを持っていれば誰でも簡単に使うことができるGoogle Cloudや、ChatGPTを利用して独自のデータで機械学習モデルを構築する方法を解説しています。

ビジネスの最前線でも多くの企業で活用されるGoogle社のクラウド技術など、「AI・データサイエンス×システム開発」の領域での実績や経験に裏打ちされた、NRIデジタルのデータサイエンティストならではの内容だと自負しています。

4.本書に込めた想い

著書『0から始めるAI・データサイエンス超入門』が、AIやデータサイエンスに興味を持ちながらも、何から始めたらいいのかわからない、自分には難しそうだと感じている方々の、最初の一歩を踏み出すためのお役に立てれば幸いです。

本書をきっかけに、一人でも多くの方がAI・データサイエンスの世界に触れ、その面白さや可能性を感じていただければ、AIやデータサイエンスなどデジタルの力を使って、より豊かな社会を作ることが出来ると信じています。

おわりに

本書の執筆の機会を頂きました東洋経済新報社様、ご縁をつないでくれたNRIデジタル広報チームには、大変感謝しています。

また、執筆の締め切りに追われ一緒に遊ぶ時間を後回しにしていたら、音声認識AIのAlexaに「Alexa! 今何時?」と時間を聞いたり、ChatGPTと遊ぶことを覚えたAIネイティブな子供達。そして、今回の書籍のメインターゲットである「0から始める」という立場から、たくさんの観点でアドバイスをくれた妻。家族の多大な協力もありました。

最後に、AI活用の事例提供や、日々の業務の中でAI・データサイエンスに関する最新事例の共有を通じ、切磋琢磨しながら成長する機会を与えてくれるNRIデジタルのデータサイエンティストの皆さん。大変ありがとうございました。