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ビジネスデザインとデータサイエンスを掛け合わせたら、新たな価値が生まれた

はじめまして、NRIデジタルの後藤と滝口です。
私たちはNRIデジタルの中で、それぞれ、後藤は「ビジネスデザイン」、滝口は「データサイエンス」という異なるファンクション(組織)に属しています。

今回は、ビジネスデザイン×データサイエンスで組織の垣根を超えておこなっている、ビジネステーマ創出のためのディスカッションの取り組みをご紹介します。

この取り組みは、NRIグループが掲げる「価値共創」への取り組みのNRIデジタル版、通称「FUN」の一環として始まったものです。FUNとは「Fun Unlimited NRId」の略称。「組織の壁を乗り越えたナレッジの共有、顧客志向、チャレンジ精神、スピーディな対応、柔軟性、自由闊達さを武器に、前向きに、楽しく、価値共創活動を進めていきたい」という想いが込められています。

※「価値共創」とは、”経済価値”と”社会価値”という2つの価値を顧客や社会と共創し続けるという、NRIグループの取り組みのことです。


1.きっかけ

FUN活動はこれまで、各組織で内容を決め、それぞれ取り組んできました。

ビジネスデザインでも、所属メンバーで毎週1回1時間・テーマ持ち寄り制で、プロジェクト創出のためのディスカッションを行っていました。
この活動を知った滝口からの声掛けで実現したのが、ビジネスデザイン×データサイエンスという、組織の垣根を越えたディスカッションでした。

ビジネスデザインは、デジタル技術を武器に、クライアントの新事業を構想・企画から運営、マネタイズ、事業拡大まで支援する組織。戦略コンサルタントとシステムコンサルタントの両方の素養をもった人材が所属しています。

一方、データサイエンスは、専門家として顧客と対話し、ビジネスインサイトを見抜き、コンサルティング・技術検証・システム導入を一貫して支援する組織です。データアナリティクス、機械学習・数理最適化などの高度な知識・技術をもつ人材がそろっています。

事業創出に強みを持つ組織と、データサイエンスに強みを持つ組織との合同ディスカッション。当初は1回きりの開催の予定でしたが、大変盛り上がったため、参加者からの強い要望を受けて、月1回で定期開催することになりました。

2.定期開催

(1)ディスカッションテーマ

2023年1月以降、これまで8回のディスカッションを開催しました。
主なテーマは以下のようなものです。

  • アクセスログ×CRMデータを活用した見込み顧客・類似事例の発掘

  • アプリから取得できる行動データの活用

  • 店頭応対データに基づくゴールデンパス分析

  • ナビアプリのユースケース検討

  • 海外コネクティッドの案件開拓

  • ドラレコR&Dの紹介

  • ChatGPTビジネス検討

あるときは、ビジネスデザインがデータサイエンスに対し、よりクライアントへの情報提供の価値を高るためのアドバイスを求めたり、またあるときはサービスやツールを紹介してもらい、ユースケースのアイデア出しをすることもありました。

(2)ディスカッションの成果

合同ディスカッションを経て開始したプロジェクトでは、早期にデータサイエンスのメンバーがプロジェクトに参加し、企画構想時点で、最終的なデータ活用まで加味した顧客メリットのある提案を行うことができました。

データサイエンスがサービス開発に参画するタイミングは、サービス開発の工程を①企画構想②要件定義③設計④開発とすると、通常③設計または④開発からとなります。

参画タイミングの違い

しかし、このプロジェクトでは①企画構想の段階から、データサイエンスのメンバーにもサポートに入ってもらうことができました。

これまでのように③設計④開発工程からの参画の場合、すでに取れるデータの要件が決まってしまっているため、データ分析の要望がでても前工程での決定事項が制約になってできないことがあります。
しかし今回は、企画構想からデータサイエンスメンバーが入っていたため、顧客企業に対し、企画構想段階から店舗運営・商品の販促・企画へのデータ分析・活用の提案をしながら進めました。その結果、必要データの取得ができるように考慮したアプリの設計を行うことができました。

3.今後の展開

合同ディスカッション開始から9か月あまり。
まだまだ、よりよい形を模索しながら進めている状態です。
前述のプロジェクトをビジネスデザイン×データサイエンスで進めていく中で見えてきたことも踏まえつつ、今後も組織の垣根を越えた活動・異能のかけあわせによる価値共創を促進し、顧客企業への価値提供に繋げていければと思います。